
男装をしてみたとき、メイクやポージングにすごく気を遣ったのに写真を見てみたらイマチイ男の子っぽくなっていなかった……コスプレ初心者のうちはこんな悩みに遭遇しがちです。
かくいうエラそうに講釈垂れようとしている筆者も、ついこの間までろくに体型補正せずに「ま~たメスブタ体型に撮れちまったわ~ガハハ!」とか言っていました。ならもっと早く調べとけ。
つい先日ようやく奮起し、男装時の体型補正について調べて対策を練ったので、「シルエットが男性っぽくならない!」とお悩みの初心者レイヤーさんに向けて、私がやっている男装するときの体型補正の仕方をまとめてみました。
- 男装をする時に体型補正をすべきポイント
- 男装をするならまずは胸を潰すところから
- 尻の存在感は想像以上!ガードルで尻を平らに補正
- ウエストのくびれや骨盤の大きさをなんとかごまかそう
- 細身のキャラでも肩や腕に少し凹凸を作ると男性らしく
- 体型補正はすればするほど長時間のコスプレが困難に
男装をする時に体型補正をすべきポイント
男装をする時の体型補正=胸を潰す、という考えは浸透していますが、それ以外の部分は意外とあまり意識していない方が多いように思えます。まあついこの間までの私のことなんですけど。
男女の体型シルエットの違いは胸だけではありません。明らかに形が違うポイントなのでそこに目がいきがちですが、他にも「女性らしさ」「男性らしさ」をかもし出すラインはたくさんあります。
全てを補正するとなるとキリがありませんが、コスプレをする際に有効なポイントとしては、
- 胸
- 尻
- ウエスト
- 肩~二の腕
以上の4点が有名だと思います。
それぞれのポイントの補正がどうして重要なのか、補正をするとどういう効果を発揮するのか、どのように補正すればよいか、次項から一つひとつ確認していきましょう。
男装をするならまずは胸を潰すところから
男装をする時の基本中の基本、「胸を潰す」ところから体型補正を始めましょう。あまり体のラインが出ない衣装であっても(鎧でも着込まない限り)胸を潰すことだけは必須なので要チェックです。
また、実はただ胸を潰すだけでは効果がいまひとつなのです。今回はそのプラスアルファの部分も順番に見ていきましょう。
Bホルダーやナベシャツなどで胸の膨らみを潰そう
胸を潰す方法は多々ありますが、筆者イチオシはやはりBホルダーを使用しての胸潰しです。ナベシャツでもよいのですが、タンクトップ型のものが多く肩が見える衣装の時に不便なので……。
Bホルダーは伸縮性のあるチューブトップで、ガムテープやサラシなど他の方法よりも手軽に素早く胸潰しができるためほとんどの男装レイヤーさんが使用しています。(多分)(少なくとも私の周りは全員Bホルダーユーザーでした)
類似品が多いのですが、パチモンはパチモンなりの使用感なので私は断然正規品のBホルダーがおすすめです。他のアイテムや方法と比較したい場合はこちらの記事を参考にしてみて下さい。
ひとまず第一段階を突破し、男装のスタートラインに立てました。これで胸はOK……としてしまうことが多いのですが、せっかくなのでもう一手間加えて男らしい胸元を作ってみましょう!
もう一工夫!大胸筋を意識して潰した胸の上を少し盛ると◎
ボディービルダーとまでは行かずとも、筋肉質な男性の胸板を想像してみて頂けると分かりやすいのですが、男性の胸はまっ平らな訳ではありません。
ある程度引き締まっている体だと大胸筋が発達しており、鎖骨の下あたりにも少しボリュームが出ます。女性が胸を潰しただけだと、鎖骨の下あたり~脇にかけてのボリュームが足りないことが多いので、少し盛ってあげるとかなり男性らしい体つきになります。

少し大げさに男女の体型差を表しましたが、上の図のような差を意識して胸元に少しボリュームを出すのがおすすめです。
肝心の詰め物ですが、私はキルト芯をおすすめします。手芸屋はもちろん、百均にも売っています。好きな形にザクザク切って、好みのボリュームになるまで重ねるだけで完成です。
キルト芯は、適当なインナーに安全ピンでサクッとくっつけるだけで簡単にボリュームが出せるのでとても手軽に体型補正ができます。
むき出しのキルト芯のままでもよいですが、肌触りがよくないので布で包んで端を縫ってあげると何度も使いまわししやすくなります。
ベースにするインナーはふつうのTシャツでもよいのですが、スポーツウェアのようなピッタリしたシャツにすると綿がズレにくいのでおすすめです。(自分の身体にピッタリかどうかよくサイズを確認して下さいね!)
以上で(私のおすすめする)胸元の体型補正は終了です。次は、平気と思っていても意外と目立っている尻の体型補正について触れてゆきます。
尻の存在感は想像以上!ガードルで尻を平らに補正
「そんなに太ってるわけじゃないし、補正は別にいいかな……」と思ってしまいがちですが、むしろ痩せている方こそ積極的にやって欲しいのがヒップの補正です。
女性としては決して太っていない、むしろ痩せていて小尻……という方でも、同じ身長の男性とお尻を比べるとふっくらして女性らしいラインをしているものです。
顔をしっかり男装メイクして振り返りポーズで写真を撮るとよく分かるのですが、それはそれはもう、顔の中性さと尻の女くささがアンバランスで強烈なコラ感が出てしまうのです……。
ヒップの補正は、ガードルを前後逆に履くだけでOKなので、男装をする際は是非軽い気持ちでお尻の補正もしてみて下さい!
前後正しい状態で履いてももちろん効果はあるのですが、肉を引っ込める効果はヒップ側よりもウエスト側の方が強いことが多いので(ヒップ側は持ち上げる効果が強い気がする)、男装をする際は前後逆に履くことをおすすめします。
お尻を潰して平らにすると、女性らしいラインが失われて男性的になるので、横からのシルエットや後姿もどことなく男性的! という印象を与えられます。
サクッとヒップの補正も済ませたら、次はガードルではどうしようもない骨盤を目立たなくさせるためにウエストの補正をしていきましょう。
ウエストのくびれや骨盤の大きさをなんとかごまかそう
骨盤と肩幅の比率を見ると、女性は男性よりもかなり骨盤が大きい……というのは恐らくご存知の方が多いと思います。
さすがに骨を押し込めることは出来ないので、ウエストのくびれをなくすことで骨盤の大きさをごまかしましょう。
ウエストのくびれを埋めるためには、胸元と同じくキルト芯を使うのがおすすめです。
ウエストはくびれをなくしたいだけなので、わき腹の辺りにのみキルト芯を盛り付けるのがポイントです。
これも胸元のキルト芯同様、スポーツウェアのようなインナーに安全ピンでくっつけるだけでOKです。(もし綿が少し浮いて遊んでしまうようであれば、伸縮性のある布で簡単な腹巻を作るとしっかり固定されます)
盛り付け具合は好みでよいのですが、しいて言えば骨盤が目立たないように、胸元から腰骨までがなめらか(まっすぐ気味)なシルエットになるようにを心がけると男性的になる気がします。
しつこくて恐縮なのですが、わき腹にのみ盛り付けて下さいね。胴を一周するようにキルト芯を盛るとただの肥満です。
さて、胸と尻に加えウエストも補正をすると、この時点で既にかなり男装向けのボディになれているのですが、せっかくなので仕上げにもう一手間かけて腕もメイクアップしてみましょう。
細身のキャラでも腕に少し凹凸を作ると男性らしく
筋肉質なキャラでなくとも、腕に少しだけ筋肉を盛り付けると男性らしい印象になるので、こだわりたい方は是非腕も少しだけ補正を加えてみて下さい。
盛り付ける位置は、上腕二頭筋(力こぶの位置)や上腕三頭筋(力こぶの後ろ側あたり)を意識するとかなりそれらしくなります。
図説したいのは山々なのですが、こと筋肉に関しては適当に画像を用意すると大変なことになるので是非google画像検索で写真を見てみて下さい……。
肩は肩パットなどでいかつくするのは既に浸透していますが、腕は胸元やウエストと同じくキルト芯で盛って安全ピンでインナーにつけるのがおすすめです。
インナーシャツがゆるいと綿が動いてしまい筋肉の位置が不自然になってしまうため、ベースにはスポーツシャツを使用するのがおすすめです。
以上で私が男装時に行っている体型補正は終了です!
といっても、毎回上記のパーツを補正しているわけではなく、補正用シャツとガードルを着るだけなので当日の補正は一瞬です。
シャツを作るのが少し面倒かもしれませんが、面倒なだけで大変ではないので是非チャレンジしてみて下さい。
さて、是非是非とおすすめしまくった以上の体型補正ですが、デメリットも少しだけあります。実は体型補正は、すればするほどレイヤー本人の持久力が下がってしまうのです。
体型補正はすればするほど長時間のコスプレが困難に
Bホルダーを使用したことのある方なら予想がつくと思いますが、身体を締め付けて補正している箇所は長時間その状態でいるのはつらいです。
今回ご紹介した通りに補正を行うと、コスプレしている間ずっとBホルダーを使用している胸とガードルを履いている尻が締め付けられている状態です。
胸が圧迫されると呼吸がしんどくなってしまうことは想像し易いですが、尻辺りが圧迫されるのもかなりつらいです。なんだか足先までの血の巡りが悪くなっているような感覚に……なるのは私だけかもしれませんが。
また、これだけしつこくリンクを貼っているのでご承知の上かもしれませんが、筋肉を盛っている箇所にキルト芯を使用しているので、盛った部分にめちゃくちゃ熱が篭ってすごく蒸れます。
冬の野外ならいいかもしれませんが、それ以外の季節・常識的な温度の室内ではも~~暑くてしょうがないです。私が暑がりなだけ……?
短時間なら「多少暑くても少し我慢すればいいか」と耐えられますが、一度も着替えずに8時間ブッ通しで体型補正しっぱなしだとかなりしんどいものがあります。
暑さ対策は多少できますが(着脱しやすい衣装にする・保冷剤を用意するなど)、締め付け対策はどうしようもないので、しっかり体型補正をする際は撮影時間を短くするようプランニングすることをおすすめします。
まとめ
- 胸はBホルダー、尻はガードルでつぶす
- 胸元の胸襟やくびれ殺しにはキルト芯がおすすめ
- バッチリ体型補正するほど長時間のコスプレが困難に
以上、最近ようやく筆者がやるようになった体型補正方法についてまとめてみました。
こんな堂々と紹介記事を作っておいてアレですが、この方法は自分勝手に考えたものなので、他のレイヤーさんのやり方の方がスマートに、ハイクオリティに体型補正できるかもしれません。
この記事はあくまで参考に、他のレイヤーさんのやり方や自分のアイディアを柔軟に取り入れて、自分なりのベストな体型補正方法を見つけてみて下さいね。