
既製品のコスプレ衣装を購入しようと探すと、楽天やヤフオク、amazon、コスプレ衣装製作業者のサイトなどで安い衣装がたくさん見つかります。
しかしそういった一般的に「業者製」と呼ばれる衣装、実はほとんどのものが著作権侵害をして作られているものなのです。
今回はコスプレ文化を守るためにも、
- なぜ著作権を侵害しているのか
- どんなメーカーが著作権違反なのか
- どの衣装であれば購入しても大丈夫なのか
を考えてみましょう。
業者製コスプレ衣装はどのように著作権を侵害しているの?
漫画やアニメなどの作品は著作権により保護されていることは皆さんご存じかと思います。今回注目して頂きたいのは著作権の中の「複製権」という権利です。
著作者・権利者は「著作物を印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製する」権利、つまり複製権を所持しています。(参考サイト)
コスプレ衣装製作はこの「有形的に再製」に当てはまると考えられます。つまり権利者の許可なく製作されたコスプレ衣装は複製権を侵害しているのです。
ただし、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが「私的使用」を目的とする場合のみ許可なく複製可能、と著作権法第30条に記されています。
つまりコスプレ衣装は、
- 権利者に許可を得ている
- 自分で着るために自分で製作する(※その衣装を着用してモデルとしての活動・ROMの販売を目的に作製・撮影、などは含まれません)
以上の2パターンに当てはまる場合のみ、製作をしても著作権侵害にはなりません。
ちなみに、2つめの条件(私的使用)については以下の記事で詳しく触れておりますので、気になる方はこちらを参考にして頂ければと思います。
もちろん、ライセンスを取得してコスプレ衣装を製作・販売している業者もあります。しかし現状ではほとんどのメーカーが無許可で、著作権侵害をしながらコスプレ衣装を製作し利益を得ています。
コスプレイヤーのほとんどは漫画やアニメ・ゲームなどの作品を愛している方がほとんどだと思います。大好きな作品の製作者・著作者の権利を踏みにじるようなコスプレはしたくありませんよね。
次項では、著作権侵害メーカーのコスプレ衣装を買わないようにするために、そういったメーカーの特徴を確認していきましょう。
著作権侵害をしているコスプレ衣装メーカーの特徴

メーカーのサイトや衣装の商品ページに「公式衣装」「ライセンス取得」などの表記がないコスプレ衣装は全て著作権侵害をしていると思って下さい。
とは言え、検索に引っかかるように公式衣装ではないにも関わらず「公式衣装」とタイトルを付けて商品ページを作っている悪質な業者もいます。
基本的には既製品コスプレ衣装は全て「違法なものかもしれない」と疑う意識を持った方がよいです。
他のコスプレイヤーさんが利用しているメーカーなら安心?
漫画やアニメ作品のキャラクターのコスプレ衣装をたくさん作っているような、多くのコスプレイヤーさんがよく利用しているメーカでも著作権侵害メーカーの可能性は高いです。
アーカイブの知恵袋などで「この業者の評判はどうですか?」という質問が当然のようにされているため公式メーカーかと勘違いしてしまいますが、その空気に流されないで頂ければと思います。
コスプレイヤーズアーカイブにも著作権侵害メーカーのバナー広告が貼られています。アーカイブに貼ってあるのだからと安心してしまいそうですが、公式か海賊版かは必ず自分の目で確認して下さい。
具体的にはどんな特徴がある?
サイトデザインがしっかりしていて会社情報がちゃんと書かれていても、衣装写真やモデル着用写真が綺麗な写真でも、それは「ちゃんと体裁を整えた海賊版メーカー」です。
私個人が感じる著作権侵害メーカーに多い特徴として、
- (楽天やamazonなどで)タイトルに公式衣装と書かれているが詳細不明
- メーカーのサイト(商品ページ以外)にライセンスについての表記がない
- 発送方法がEMS(国際スピード郵便)
- 納期が一か月程度かかる
- サイズオーダーが可能
- 豪華な衣装でも10,000円程度で買える
以上のような傾向がありますので、参考にしてみて下さい。(必ず全てが当てはまる訳ではありません)
以上、買ってはいけないコスプレ衣装メーカーの特徴を挙げました。次は安心してコスプレを楽しむために、買ってもよいコスプレ衣装=公式衣装がどこで買えるのかを見てみましょう。
著作権侵害をしていない公式衣装はどこで買える?
ライセンスを取得しコスプレ衣装を製作しているメーカーはあまり多くありません。筆者の知っている公式衣装を売っているメーカーをご紹介致します。
ACOS
ACOSはアニメイト系列のコスプレ関連グッズ・キャラクターイメージグッズのメーカーです。
あのアニメイト系列なだけあって版権に関しての倫理観はしっかりしているようで、ACOSで作られているコスプレ衣装は全て版権元の許諾・監修を受けています。
最近では取り扱い作品数も増え、さらには衣装だけでなく公式キャラクターウィッグも製作しているため、衣装製作もウィッグ作りも苦手だという方でもすぐに色々な作品のコスプレが楽しめるようになりました。
ライセンスを取得しているため海賊版衣装よりも高値に思えますが(そもそも比べるべきではありませんが……)、その分縫製がよいと評判です。
楽天市場・amazon
楽天市場やamazonに出品されているコスプレ衣装は全て著作権違反品に思えてしまいますが、ディズニー・アメコミ系などの一部のコスプレ衣装はライセンスを取得して製作・販売されています。
正規商品か海賊版かの見分け方を具体的に見ていきましょう。
例えば、こちらのサンリオのクロミ衣装は楽天でもamazonでも販売しているものです。パッケージ右上に「RUBIE'S」と記載がある通りこれは「RUBIE'S JAPAN」という会社が販売しているものです。
RUBIE'S JAPANのホームページのよくある質問のページに、取り扱っているキャラクター商品は全てライセンス商品、との記載があります。
これが虚偽の記載である可能性を完全に否定する方法はありませんが、会社情報の取引先にハンズやロフト、トイザらスなどの大手販売店があるので信憑性は高いと思います。
以上のことから私はこの衣装は著作権侵害をしておらず、公式ライセンスを取得している正規衣装、と判断します。
かなり面倒ではありますが、楽天やamazonでコスプレ衣装を購入する際はこうして調べていって頂ければと思います。
まとめ
- 私的使用目的以外で、権利者の許可なく作られたコスプレ衣装は複製権を侵害している
- ライセンスについてに記載がないメーカーやEMSで発送のメーカーには要注意
- ACOS、楽天・amazonの一部のコスプレ衣装は公式衣装(メーカーサイト要確認)
以上、業者製コスプレ衣装と著作権についてまとめてみました。
こんな難しい話は積極的に聞きたくないかもしれませんが、これからも私達一人ひとりがコスプレを楽しむために必要なことです。
「説教大好き意識高い系コスプレおばさん(笑)」と思わず、どうか今回の記事の内容をしっかりと意識してコスプレ活動を楽しんで頂ければと思います。頼むぞ!