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コスプレウィッグを染める染色剤4つの特徴・比較まとめ


コスプレウィッグを染める方法の一つに、染色剤(染料)を使用する染め方があります。

以前はウィッグに有用な染色剤は数が少なかったのですが、最近では色々な染色剤が登場し、選択肢が多くなりました。

様々な商品から好きなものを選べる自由度は上がったものの、種類が増えたことによって逆に比較をして自分に合ったものを選ぶのが大変になってしまいました。

そこで今回は、コスプレウィッグを染めるのに使用する染色剤の特徴をまとめてみました。

  1. ウィッグを染めるのに使える染色剤の特徴比較
    1. ダイロン
    2. ベストカラー
    3. ポリエステルダイ(みやこ染め)
    4. 染めタロー
  2. 染色剤でウィッグを染める方法おさらい
    1. 必要な道具
    2. ウィッグを染める大まかな流れ
    3. ウィッグをグラデーションに染める方法
  3. ベースにするウィッグの色に注意

ウィッグを染めるのに使える染色剤の特徴比較

今回は、ウィッグを染める方法によく使用されるものをピックアップしてまとめてみました。

ダイロン

定価540円(税抜き)(※2019/04/23現在)

ダイロンは手芸店などで手軽に安価で購入することができる上にカラーバリエーションが豊富なので、使用している方が多い染料の一つです。粉をお湯で溶かして使用します。

公式サイトに載っている通り、ダイロンはポリエステルを染めるものではないのでウィッグ染めに不向きかと思いきや、説明書通りの染め方でウィッグも染めることができます。

昔からよく使われていたのでウィッグ染めに使う染料材として有名ではありますが、粉タイプは溶かす際にダマになって染めムラが発生する可能性があるので、個人的にはポリエステル用でもないダイロンをわざわざ選ぶメリットはないかなと思います。

Maple仙台店さんのブログ(薄めで染色)やコスプレイヤー・ミヤピンさんのブログ(濃いめで染色)にダイロン染めをした記事が掲載されておりますので、染まり方を確認したい方はチェックしてみて下さい。

ベストカラー

定価735円(税込み)(※2019/04/23現在)

ベストカラーも手芸店などで安価に購入することができます。ダイロンと違うのは、粉ではなく液体を希釈して使用するという点です。色数が少ないのが少し気になります。

ベストカラーは綿・麻・レーヨン用とポリエステル用があるため、購入時には間違えないよう注意して下さい。ウィッグ染めに使用する場合はポリエステル用がおすすめです。

粉の染料はしっかりと溶かさないと染めムラの原因となってしまうのですが、液体ベストカラーなら「粉が溶けきらなかったせいで染めムラに……」という失敗が避けられるのでこちらの方が初心者さん向けだと思います。

エアリーウィッグアレンジブログに液体ベストカラーを使用したウィッグの染め方が掲載されているので、染まり方をチェックしたい方は覗いてみて下さい。

こちらの方↓のツイートにもある通り、ベースのウィッグの色が白の場合はさっとくぐらせる程度でもある程度色が出ます。


ポリエステルダイ(みやこ染め)

定価756円(税込み)(※2019/04/23現在)

ポリエステルダイ(みやこ染め)の一番の特徴は「ベーシックな色が揃っている」「ウィッグがしっかり染まりやすい」の2点ではないでしょうか。

ウィッグメーカー・クラッセのクラッセ実験室ブログにポリエステルダイを使用したウィッグ染色(グラデーション染め)の記事がありますが、20秒でかなりビビッドに染まるようです……。

「かなりハッキリした色合いに染めたい!」という方にはおすすめですが、ポリエステルダイは粉なので、使用する時はしっかり溶かすよう注意してから染めて下さい。

みやこ染めのポリエステルダイは、クラッセ実験室ブログの他にメーカーが染め方の動画をアップしているので、こちらも参考にして染色にチャレンジしてみて下さい。


染めタロー

>>アシストウィッグ オンラインショップ(検索バーで「染めタロー」と検索して下さい)

定価800円(税込み)(※2019/05/30現在)

アシストウィッグが販売している染めタローは、amazonや楽天などのショッピングサイトでは販売されておらず、アシストウィッグの公式通販サイトからのみ購入が可能です。

まだ染めタローを使用したことがないので、アシスト公式ブログでの染まり方を見る限りの様子しか分からないのですが、全11色のしっかり染まる液体タイプの染料のようです。

全部で11色なので、色数は前項のポリエステルダイに劣るものの、ベーシックな色は揃っているのでそこまで気になりません。むしろ粉ではなく液体な分、染めタローの方が扱いやすそうな印象です。

とはいえアシストウィッグの公式オンラインショップか一部の取り扱い店舗でしか手に入らないというのがかなり気になります。


以上、よく耳にする(と思う)ウィッグ向けの染料をご紹介致しました。

染めムラが心配な方は液体タイプ(ベストカラー・染めタロー)が、色を作るのが面倒な方はダイロンがおすすめです。

自分に合った染料を選んだら、次はウィッグの染め方をおさらいしておきましょう。

染色剤でウィッグを染める方法おさらい

使用したい染色剤が決まったら、次はいよいよウィッグ染めです。

どの染色剤を使用するかで多少手順が異なりますが、大まかな流れとしては大体同じなので、パッケージの説明書を読む前に一度流れを頭に入れておくと本番でもすんなり染めることができると思います。

必要な道具

染料が粉か液体か、色止めの要不要などで多少異なりますが、とりあえずこれだけ揃えておけばどの染料剤も使用することが出来る、というものをご紹介しておきます。

  • 染料剤
  • ウィッグ(濡らしておく)
  • 鍋(染色専用に用意する)
  • ゴム手袋
  • 菜箸かトング(染色専用に用意する)
  • お酢(必要に応じて。染料によっては色止めに必要です)
  • お湯

染料剤とウィッグはその都度必要ですが、鍋・ゴム手袋・菜箸(トング)は一度買えばずっと使えるので、2度目以降の染色はかなり出費を抑えられます。

ちなみにウィッグを染色する際に煮ない場合は鍋ではなくバケツでも可能ですが、ポリバケツだと染色を重ねる度におどろおどろしい色になっていくので個人的にはステンレス鍋がおすすめです……(笑)

染料液に浸したウィッグを混ぜるのに必要な菜箸・トングは百均でも買えるので横着せず買ってしまった方がよいです。トングはシリコンだとポリバケツと同じ目に遭うので、あればステンレスがおすすめです。

それでは道具を揃えたところで、ウィッグ染めの流れを確認してみましょう。

ウィッグを染める大まかな流れ

染料の種類によって多少手順は変わりますが、大体の流れはどれも同じです。

  1. お湯を沸かす(説明書の指定通りかそれ以下。染めたい濃さによります)
  2. (粉タイプの染料の場合は、少量のお湯で粉を溶かして染料液を作る)
  3. 鍋にお湯と染料液(+必要に応じてお酢)を入れる
  4. 全体を濡らしてあるウィッグを入れる
  5. (必要に応じてコンロなどで鍋を火にかける)
  6. 箸かトングでウィッグ全体を液に浸すように攪拌する
  7. 理想の色より少し濃いめになったら引き上げる
  8. しっかり水ですすぐ
  9. 水を切って陰干し

手順6と7の間の放置時間は、染めたい色の濃さによって異なります。少しニュアンス付けをしたいだけなら1分程度でも充分ですが、しっかり濃い色を出す時は1時間ほど浸けておく場合もあります。

放置時間はウィッグや染料、染料液の濃さによって変わるので、慣れないうちはこまめに色味をチェックしてみて下さい。

Maple仙台店さんのブログ」ではダイロンを、「エアリーウィッグアレンジブログ」ではベストカラーを、「アシスト公式ブログ」では染めタローを使用した染め方が公開されているので参考にしてみて下さい。

次はなんだか難解なイメージもあるグラデーション染めについてもチェックしておきましょう。

ウィッグをグラデーションに染める方法

基本的な手順は前項と同じです。が、ウィッグを染料液に浸けるときに少し小技が必要です。

  1. 前項の手順1~3の通りに染色液を作る(2色で染めるなら薄いほうの色を作る)
  2. 染めたい範囲(グラデーションが始まる位置)までさっと浸ける
  3. 手順2で染めた位置より少し手前までもう一度液を漬ける
  4. さらにもっと手前まで浸ける(このあたりで理想の色を作るよう調整してみて下さい)
  5. 理想の色合いより少し濃いめになったら引き上げる
  6. 以下、前項と同じ

常にウィッグを片手で持っていなければならない分、全体染めよりも少し大変ですが、正直そもそもウィッグを染めるという時点で既に大変なので全部染めようがグラデーション染めだろうがどっちどっちの労力なので頑張りましょう。

グラデーション染めをする時は、ポリエステルダイなどの一瞬で染まるような染料で染める場合、一発目の染め(手順2)の時は本当に一瞬だけ浸けるように注意して下さい。

クラッセ実験室ブログ」でポリエステルダイを使用したグラデーション染めの方法が公開されているのでチェックしてみて下さい。

染め方を把握したら、最後にベースにするウィッグについてもまとめておきます。

ベースにするウィッグの色に注意

ウィッグを染める時には、染料選びと同じくらいベースウィッグの色も気にして用意しましょう。

よく考えれば当たり前ですが、色付きウィッグを染めると元の色よりも暗い色になります。ベースの色より明るくなることは絶対にありません。

例えば赤茶のウィッグを作りたい場合に「この茶ウィッグの暗さはそのままで色味だけ一回り赤くしたい」と思い、そのウィッグを赤で染めると理想よりも暗い赤茶になります。

色付きウィッグに別の色を上から入れる場合は、理想の暗さよりも明るいウィッグをベースに選ばなければなりません。

また、ハッキリとした色合いの青~緑のグラデーションを作る際は、ベースのウィッグは白を選ぶしかありません。

例えば、青ウィッグをベースに毛先に緑を入れたとしても、青~濃い青緑のグラデーションにしかなりません。

ウィッグを染めるということは、元の色の上に染料の色のフィルターをかけるのと同じです。試験対策で、単語を緑で塗り潰して赤いフィルム越しに見ると黒くなるあれです。(画像編集ソフトやお絵かきソフトで言う「乗算」で色を乗せた状態ですね)

「この色の上にこの色を乗せると何色になるのか分からない……」という場合は、難しく考えず白ウィッグをベースにして、染料を混色して理想の色を作って染めることをおすすめします。

まとめ

  • 色を作るのが面倒なら「ダイロン」
  • 溶け残りが怖いなら液体の「ベストカラー」「染めタロー」
  • 手早くビビッドに染めるなら「ポリエステルダイ」
  • ウィッグを染めるとベースの色よりも暗い色に仕上がる点に注意

以上、ウィッグを染める際に使う染料と、染め方や染めるウィッグについてをまとめてみました。

ウィッグを染めるなんてなんだか大掛かりで大それたイメージがありますが、これができるようになるとかなり表現の幅が広がるので個人的にはとっとと通過しておいて損はありません。

面倒なことは面倒ですが、これも推しのためなので諦めて、今回の記事を参考にウィッグ染めにチャレンジしてみて頂ければと思います。